落合陽一「超AI時代の生存戦略」を読んだ。

「超AI時代の生存戦略」

この本には、来たるシンギュラティに向けて、我々はこれからどう生きていけば良いのか、現状認識を示した上でその心構えが書かれている。
特に、今が一体どういう時代なのかという説明が非常にわかりやすく、かつ私が普段感じている違和感についての回答が随所にあり、とても面白かったので一部紹介したい。

シンギュラリティとは

シンギュラティ(技術的特異点)とは、AIの知能が指数的に成長し、いままでの人類を超越した知性が誕生する時点のことである。
これは機械が人間を支配するというような単純な話ではなく、人間も自らをテクノロジーにより改変する事で、機械と人間の境目がなくなっていくと言われている。
そしてそのシンギュラリティが起こると言われているのが2040年代だという。

テクノロジーが社会を変化させた

この本の中でも、テクノロジーの発展によって人間性と共同幻想が脱構築されている、という記述が大変興味深かった。

人間性の脱構築

現在はデカルト以降、最も大きな哲学の脱構築が起きている時代だという。
デカルトは「心身二元論」という本のなかで、世界には「物」と「心」という本質的に異なる独立した二つの実体がある、とした。

しかし、心はブラックボックスになった。だが今、計算機科学の発展により、人はブラックボックスの解析とその関数の出入力についてある程度の成果を得ようとしている。理解不能を人間性と定義することは今、極めて難しい。

現在、ディープラーニングなどの人工知能の研究に伴い、「心」が関数として徐々に明らかになってきているという。
そして、人間のように思考する人工知能が生まれつつある。
「心」が人間だけのものでなくなってしまったら、人間と機械との違いがわからなくなってしまう。

こういった話はSF小説の世界では珍しくはない。
フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」では人間と機械の区別が感情や共感性の有無にあるのだとしたら、それらを失ってしまった人間とアンドロイドとの違いは一体何なのか、という人間性に対する信頼の揺らぎを描いていた。
つまり、現代はまんまSFの世界に突入しているといえるだろう。
攻殻機動隊のような世界が現実のものになりつつある。

共同幻想の脱構築

かつて活版印刷の技術により、イメージを思想として共有する事で成り立つイメージ共有社会が生まれ、そして映像技術の発展によってマスメディアの時代が訪れた。20世紀は映像の世紀だった。
しかし、それはインターネットの誕生により大きく変化したという。

そして、20世紀の大戦によって生み出されたコンピュータ技術は、21世紀をインターネットの時代に変え、イメージ共有社会からの脱却を生み出そうとしている。

昨今、話題のポスト・トゥルース(ポスト真実)がそれをよく表している。
SNSに顕著だが、皆がそれぞれ客観的事実を重要視せず、自分が信じたいものを選択するというのがポスト真実だ。
それぞれが自分に都合のよい虚構、まるでヴァーチャルリアリティの世界を生きているようにも見えるが、別にこれを否定的にとらえる必要はなく、これこそがテクノロジーによって引き起こされた社会の変化に対する人類側の適応であるのだから、この現象をフラットに受け入れるしかないという。

個々人の信仰が大事になってくる

テクノロジーの進化により人間性が揺らぎ、かつ共同幻想も変質して、価値観がどんどん多様化していく時代においては、自分にとっての絶対的なものがないと行動指針を無くしてしまいやすい。
なので、自分を律する価値基準としての信仰(宗教というわけではない)が大事になってくる、と筆者は言う。

戦後の日本は「拝金と自己実現の宗教」で、その信仰は皆が同じ方向を向いて生産性を向上させるのには有効だったが、今の時代には逆にそれが足かせとなっているという。
思考的多様性が社会全体の生存戦略として重要になってきており、皆が違う方向を向いて淡々とやっていくことが必要とされているようだ。

何かの信仰に属することというのは、これから価値が非常に多様化していく中で、個人が道を見失い憂鬱にならないためにも、ストレスコントロールを行ってメンタルを保つためにも重要だ。

シンギュラリティに向かう時代を生きる

私は今31歳、これから20~30年、シンギュラリティに向かう社会を生きなければならない。
この本の中で、これから起こるのは人間と機械との戦いではなく、計算機親和性の高い人間とそうでない人間の衝突だ、とあったが、このままでは明らかに自分は淘汰される側にいると思う。
でも、全く悲観はしておらず、むしろ、人類史上かつてない時代の到来を楽しみにしている。
自分の信仰(生き方)を探りつつ、出来る限り生き残るために色々やってみよう。

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コメント

  1. moto より:

    初めまして。

    私も近々都会の暮らしを脱して田舎でBライフをと考えていて
    Bライフ関連の人のブログを片っ端から読んでいる中
    ミキジローさんのブログに辿り着きました。

    Bライファーも十人十色で面白いですね(^-^)

    自然の中で生きるのは大変だと思いますが、
    理解のある奥様との暮らしなら色々な意味でプラスだと思います。

    無理せず気楽に頑張ってください。